海藻をもっと身近な存在に

「HAKODATE GAGOME」の次に企画・商品化したものが「海乃香藻(ウミノハーブ)」シリーズです。
前述のガゴメ100%の粉末は、幸い素材にこだわる方には高い評価を頂いています。
しかしながら、わたしたちの商品づくりのコンセプトには、毎日の食生活の中で「海藻をもっと身近な存在として楽しんでいただきたい」という強い思いがありました。また、昆布製品というよりは、ハーブや紅茶などに近いイメージで海藻を楽しんでいただきたいとの思いもありました。
そのため、ジャンルを問わずあらゆる料理に海藻を使っていただくに、海藻と塩をブレンドしてハーブソルトのようなイメージで、気軽に料理にふりかけることができるような商品を作ることとしました。

初期段階で使用する海藻は、函館沿岸の良質の海藻の中でも、とろみが特徴のガゴメと、やわらかな葉が波に揺られて漂う姿がおとひめの羽衣のように見えたことからおとひめ昆布と名付けられた1年栽培のマコンブを素材に選定しました。
将来的には、陸上のハーブのように、種類毎の特長を楽しみながら味わうことのできるよう、函館沿岸の様々な海藻のブレンドを取り揃えて行きたいと考えております。
海藻だけではなく塩にもこだわってます。

海藻の素材の良さを引き出すことのできる塩は何か…と考えた結果、わたしたちが辿り着いた答えは「海藻と同じ海の水(海水)からできた塩」とブレンドすることでした。
椴法華の海藻を使うのであれば、椴法華の海水を釜焚きした自然塩…根崎の海藻を使うのであれば、根崎の海水を釜焚きした自然塩…というように、ひとつのブレンドの中で、海藻を育んでいる海の環境を味で体現することに多大の理解を示してくださった方がいました。

それは、黒松内で海水を釜で焚いて自然塩を作っておられる
「海心窯しおのや」さんでした。わたしたちの海藻商品づくりのコンセプトに共感してくださり、使う海藻に合う塩の粒度や仕上がりなど、いろいろと相談に乗っていただいています。
作業としては、わたしたちが海水を採水して、しおのやさんが焚く…というように、手間はかかりますが、海藻によく合う上質の塩は、このようなコラボで出来上がっています。
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素材の特性にあわせた挽き方

海乃香藻(ウミノハーブ)シリーズは、当初、海藻を粉末化したものと自然塩の組合せで商品化していました。
しかしながら、突き詰めていくと、スパイスコーナーでよく見るパセリの荒挽きのように、荒挽きなのにやわらかい…というような挽き方ができないだろうかと考えていたところ、ふと頭に浮かんだのが、1年栽培のやわらかなガゴメ。

天然漁で採取されるガゴメ(通常出回っているガゴメ)を荒挽きにすると固くて、角のとがったものになりがちですが、1年栽培のガゴメはちょうどよい固さで、口当たりもソフト。口の中では、あっという間にとろみに変わってしまうことがわかり、良い意味でわたしたちの期待を裏切ってくれました。早速、自然塩との配合比を検討して商品しました。
こうした海藻を美味しく食べるための試行錯誤は、日々続いています。